越境汚染の追跡について

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越境汚染の追跡について

　日曜日は、時事ニュースの日です。今日は、越境汚染の追跡について考えます。日本国内で、光化学スモッグの被害が発生しています。主な原因は、中国から、汚染物質が日本に飛来したためであると、考えられています。
　日本では、七十年代に、光化学スモッグの被害が深刻な状況でした。七十年代に起きた日本の光化学スモッグの問題は、日本自身で、汚染物質を発生させていたことが原因です。その後の日本は、排気ガス規制などの対応をとることで、光化学スモッグの被害を沈静化させました。現在の日本国内においても、人々の環境問題への意識は高いものであり、排気ガス対策には力を入れて取り組んでいます。日本では、光化学スモッグの発生を防止するために、排気ガス除去装置を、発生源に取り付けています。つまり、日本国内では、光化学スモッグ発生の大きな原因は、ないと考えられるのです。しかし、排気ガス対策をとる日本国内で、近年、光化学スモッグの被害が増加しています。その原因を考えると、中国からの、日本への汚染物質の飛来が原因ではないかと、考えられています。
　日本国内での、光化学スモッグの発生による被害は、全国的に広まっているものではありません。特に、被害は西日本を中心に発生しています。西日本は、中国大陸に近い地域です。光化学スモッグは、大気汚染です。中国大陸と日本とは、陸続きでつながってはいません。しかし、同じ空の下に、国土があるわけです。日本と中国とは、大気でつながっているのです。そのため、中国大陸から、日本国内に、光化学スモッグの原因となる汚染物質が飛来したことが、発生の原因ではないかと、疑惑が持たれているのです。なぜ、中国が汚染物質を、大量に大気に排出していると、日本人は疑っているのでしょうか。
　その根拠は、現在、中国が高度経済成長の状況であるからです。光化学スモッグと、高度経済成長とは、密接な関連があります。日本においても、高度経済成長の時代には、大気汚染の被害が全国的に深刻なものでした。高度経済成長は、生産活動を活発にさせることで成立します。そして、生産活動に伴って、排気ガスが排出されます。国の中の地域を分けて考えると、大きく三つに分けられます。農村地域と、工業地域と、商業地域です。高度経済成長によって、農村地域は、工業地域になったり、商業地域になったりします。農村地域からは、光化学スモッグの原因となる、汚染物質は排出されません。しかし、工業地域や、商業地域からは、汚染物質が大気に排出されることになります。工業地域では、工場や、トラックから排気ガスが盛んに放出されます。そして、商業地域では、数多くの車から排気ガスが放出されます。つまり、高度経済成長によって、化石燃料を多く使用するわけです。国は、高度経済成長によって、石炭や石油を多く燃焼させるのです。そのため、排気ガスが大気に排出されることになります。現在、中国では、経済成長率が、高い数値を維持しています。現在、中国は、高度経済成長時代を迎えているのです。中国は、工業生産活動を増加させているのです。
　しかし、日本と中国大陸とは、距離が離れています。中国を、日本の光化学スモッグ発生の犯人扱いにするためには、様々な調査をする必要があると考えられます。日本側にも、光化学スモッグ発生の原因があるのかもしれません。光化学スモッグ発生の原因を、究明しなければならないのです。そこで、日本の環境省が、調査に乗り出すのです。中国大陸から、汚染物質が日本へ飛来するのであれば、どのような道のりを経て、日本に到来したものであるのかを、詳しく調べなければなりません。日本も、光化学スモッグの原因となる排気ガスを、多く排出しているのかもしれません。日本も、工場と車が、数多く存在しています。西日本において、光化学スモッグの被害が、近年増加しているのは、西日本が、工業活動を増大させているからであるのかもしれません。現段階では、中国からの越境汚染の疑いが強く持たれている、という状況です。原因が完全に特定できたのではありません。原因の解明のために、日本の環境省は、調査に乗り出します。
　その調査には、中国の協力が欠かせません。そして、中国だけではなく、韓国の協力も必要です。なぜなら、汚染物質の流れは、中国から、朝鮮半島南部に渡り、それが、日本の九州北部へ入り込んでいると推測されるからです。日本の光化学スモッグ発生の原因解明のためには、まず第一番に、中国の協力が必要です。そして、韓国の協力も必要です。西日本で光化学スモッグが発生している主な原因を、中国であると考えるのであれば、韓国内でも、光化学スモッグの被害が多発しているはずです。むしろ、西日本よりも、韓国内での光化学スモッグの被害の方が、より深刻なのではないでしょうか。韓国内では、大気汚染の問題が、ニュースで大きく取り上げられていないのでしょうか。中国では現在、汚染物質による被害が、深刻な状態であると推定されています。しかし、中国での、具体的な汚染状態は、公表されていないのです。中国は、自分の国が不利となるような情報を国外に公表しない姿勢であるのかもしれません。中国が、汚染物質を大量に大気に放出している実体が明らかになれば、中国の評判は悪くなります。そのため、中国は、自国の不利となる情報を隠すのです。しかし、大気汚染の問題は、中国だけの問題にとどまりません。日本にも被害が及んでいます。そして、日本だけでなく、東アジア全体が、中国の大気汚染の被害を受けることになるのかもしれないのです。そのため、中国は、大気汚染の実態を明らかにする義務を、果たすべきなのです。中国は、自国の高度経済成長の利益のみを追求してはなりません。中国には、他国への配慮も必要なのです。
　光化学スモッグは、環境問題の中の一種類です。光化学スモッグによって、大気が汚染され、人々の健康的な生活に被害をもたらします。近年の環境問題で話題となっている、有名な問題として、地球温暖化の問題があります。地球温暖化の原因としては、人類による、二酸化炭素の排出活動を考えることができます。そのような、二酸化炭素も、排気ガスの中に含まれています。排気ガスは、光化学スモッグを引き起こす上に、地球温暖化現象も引き起こすわけです。そのため、排気ガス対策は、地球規模の問題でもあると考えられるのです。地球規模の問題であるため、中国も、国外に汚染物質の排出状況を公表しづらいのかもしれません。そしてまた、排気ガスは、地球温暖化や、光化学スモッグを引き起こす上に、酸性雨も発生させるのです。酸性雨が地上に降り注げば、地上の植物や土壌を汚染させます。排気ガスは、大気汚染から、土壌汚染も引き起こし、そして、その影響で、水質汚濁も招きます。
　つまり、光化学スモッグの問題は、大気汚染だけにとどまらないのです。光化学スモッグの発生は、地球温暖化や、酸性雨や、土壌汚染や、水質汚濁とも結び付いているわけです。光化学スモッグによって、空気が悪くなり、土が悪くなり、雨や水の質も悪くなるのです。その影響から、食べ物も安全ではなくなるのかもしれません。農作物や、魚貝類への被害が大きいものかもしれません。人間に、健康状態の悪化をもたらすことは、当然のことです。
　大気汚染の問題は、中国が全部悪いのではありません。日本も、大気汚染の原因となる活動を行っています。そのため、大気の越境汚染を追跡する調査に当たっては、中国だけを責める態度ではなくて、日本も中国も、お互い様である、という態度を持つことです。

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