日曜日
時事ニュース
「ASEAN」四十周年について
日曜日は、時事ニュースの日です。今日は、「ASEAN」四十周年について、という題で考えます。「ASEAN」とは、東南アジア諸国連合のことです。ASEANは今年の八月で、四十周年を迎えるとのことです。そのようなASEANには、どのような問題を考えることができるのでしょうか。
まず、ASEANに加盟する国々の約束事として、内政不干渉の原則があります。その、内政不干渉の原則に関係がある、ASEANについての問題を、考えることができるのです。確かに、そのような、内政不干渉の原則は、基本的には、守られるべきであると考えられます。
それは、例を挙げると、次のようなことになります。新婚夫婦が、家を購入して、夫婦でその家に住むことになります。これからは、夫婦で、力を合わせて、幸せな家庭を築くことにしよう、と決意をするのです。その夫婦だけの力で、その夫婦が望む、理想の家庭を築こう、という決意です。そして、その決意を持ちながら、夫婦は生活を送る日々です。しかし、そのような夫婦が共同生活をする家の中へ、義母が、渡しておいた合鍵を使って、たびたび侵入を繰り返す、ということです。夫婦が家を留守にする間にも、その義母は合鍵を使って無断で家の中に入るというわけです。そして、その夫婦が頼みもしないのにも関わらず、部屋を掃除したり、干してあった洗濯物を取り込んだりするのです。つまり、内政干渉の問題なのです。その国にはその国なりの政治の方針があるものです。それを、他国の政治的理由によって、内政を干渉されてしまっては、その国の政治の独立を保つことができません。他国の政治家に支配されてしまいます。そのため、内政不干渉の原則は保持されるべきなのです。内政不干渉の協定は結ぶべきです。それは大原則です。もしも内政不干渉の原則が守られなければ、それは大きな問題です。強い国が弱い国を支配するようになります。
しかしまた、内政不干渉の原則を、各国が強く守り過ぎることも問題となるのです。それはつまり、個人主義を強く守り過ぎる、というような問題であると思われます。他国との関係を考えず、閉鎖的になるのです。ある国が重大な問題を抱えている場合であっても、他国はその国の政治に発言をすることができません。「私の国の内政に干渉することはやめて下さい」と、他国からの発言が拒否されてしまうのです。どのような事も内政不干渉の原則に従っていれば、他国との、互いの関係を考えない、その国の勝手な行動も許されることになるのです。何事も内政不干渉の態度では、グループ全体の利益が得られません。
つまり、ASEAN全体の利益となるような行動をとることが望ましい、ということです。確かに、ASEANに加盟する国々の原則としては、内政不干渉です。しかし、ASEAN全体で、一つの共通した意見を持ちたいものなのです。将来像に対する意見です。将来、ASEANはどのような方向へ進むのか、についての意見です。ASEANの進路についての意見を、一致させたいのです。しかし、内政不干渉の厚い壁にはばまれれば、一致した意見を決められないのです。例えば、ある国が石油使用量を減らすべきだと主張しても、他の国が、その意見には反対するようなものです。また、輸出とか輸入の問題についても、協定をなかなか結ぶことができません。ASEAN各国の代表が参加するASEAN会議を開いても、意見がまとまらないのです。内政不干渉は大原則であるのかもしれないけれども、しかし、もう少し、他国や全体のことを考えるべきだ、ということです。確かに、共通の一つの意見に従うことになると、ある国には利益となるけれども、しかし他の国には損害を与えることになる、というような事態も考えられます。それがまた難しい部分なのです。各国それぞれの事情があるのです。他国のことなどを考える余裕はないのかもしれません。自分の国の利益のみを優先させて、他国の利益のことなどは優先させるべきではないと考えるのかもしれません。「自分の国さえ利益が出れば、それで良いのだ」と思う部分もあるのかもしれません。しかし、ASEAN全体のことも考えるべきだ、ということです。「ASEAN全体の共通意見に従えば、自分の国は利益を多く得られないのかもしれない。しかし、ASEAN全体のことを思って、意見に従おう」という気持ちです。ASEANのまとまりを重要なものであると考えるのです。
ASEAN各国は、ASEANというグループの一員としての自覚を持ち、グループ行動をすることに努めるべきだ、ということです。ASEANの各国のそれぞれの国内事情というものは、かなり異なっているのです。ASEANの中では、シンガポールが経済的に一番裕福な国です。しかし、シンガポールではない国の中に、経済的に苦労をしている国が存在するものであるのかもしれないのです。そこで、シンガポールへ出稼ぎに行こうと考える人々もいるのです。貧しい田舎から、都会に出稼ぎに行こうと考える青年のようなものです。その時に、シンガポールは、出稼ぎに来た他国の人々を、どのように受け入れるべきか、という問題について考えるのです。シンガポールは、そのような出稼ぎ労働者を温かく迎え入れるのか、それとも、過酷な待遇をするのかどうかです。つまり、ASEANの各国は、他国を排除し合う関係を目指すのか、それとも他国と協力し合う関係を目指すのか、という問題です。
ASEAN諸国は、内政不干渉の原則を強く固く守り、お互いの国内事情については、お互いに発言することを禁止すべきである、というような姿勢をとるのでしょうか。それとも、ASEAN諸国は、お互いの国について、何か意見があれば、積極的に発言をするべきであり、そしてまた、他国からの意見があれば、積極的に自分の国に取り入れる、というような、意見交流を盛んにするような姿勢をとるのでしょうか。ASEANの今後の問題です。
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